仮払金は危険?

「仮払金」という勘定科目。

会計ソフトを使っていると一度は目にしたことがあるかと思います。

私は税理士試験受験生時代、予備校のTACに通っていた時に財務諸表論の講師から言われた次のセリフが未だに忘れられません。

「仮払金が載っている決算書はプロが作るものではない!」

「こんな勘定科目が載っている決算書はロクなものじゃない!」

この印象が強すぎて、仮払金は「ヤベー奴」というイメージが定着しました(笑)。

この教えが影響して、実務でも仮払金は「極力使ってはいけない科目」「決算書に絶対載せてはいけない科目」という意識で対応するようになりました。

  • 取引内容がわからない
  • 「未確定勘定」だと貸借が合わない
  • とりあえず「仮払金」
  • 調べるのが面倒だからそのまま放置
  • 決算時になって取引内容を思い出そうとしてもわからない
  • \(^o^)/

テキトーに経理をしていると良くあるケースですが、こうなってしまうと「仮払金」から動かすことが難しくなります。

取引内容が分からないからと言って「雑費へドーン!」は絶対にダメです(笑)。

内容が分からない取引が出てきた際、一時的に「仮払金」で逃げるのは良いと思います。

しかしその場合はなるべく早く内容を確認し、適切な勘定科目に振り替えるようにしましょう。

ここでそのひと手間を後回しにすると、後々苦労します。

時間が経てば経つほど記憶が薄れ、真実は遠くに行ってしまうからです。

正確な帳簿付けというのは、このような些細なひと手間の積み重ねが大事なのです。

もうひとつ厄介なのが、個人事業主(フリーランス)で売掛金入金の際に源泉所得税が差し引かれているケース。

私もそうですが、個人事業主は売掛金回収の際に源泉所得税10.21%が控除されて入金される方が多いと思います。

その控除された源泉所得税が「仮払金」や「事業主貸」といった勘定科目を使って、他の取引に埋もれてしまい判別不能になっていないでしょうか?

青色決算書や確定申告書を作成する際に1年間で控除された源泉所得税を正しく記載する必要がありますが、しっかりと計上できているでしょうか?

私は「仮払源泉税」という勘定科目を作って対応していますが、最初からこの科目が設定されていない場合、「仮払金」や「事業主貸」を使っている方が多いと思います。

特に「事業主貸」はプライベートの取引の際に頻繁に使うので、大切な源泉所得税がこの中に埋もれてしまうと、還付されるはずの金額の拾い漏れが起こる可能性がありますので、気を付けましょう!

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