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5年で税理士試験5科目に合格した話⑤【2019年/法人税法】

税理士試験挑戦4年目の2019年を振り返ります。

この年は驚異的な試験範囲の広さを誇る法人税法を受験しました。

目次

法人税法について

避けて通れぬ必須科目

税理士試験の科目は全部で11あり、基本的には自由に選択することができるのですが、会計科目の簿記論財務諸表論は必須となっており、さらに税法科目も法人税法又は所得税法のどちらかは必ず選択しないといけません。

よってこの2科目のどちらかは必須科目であり、5科目官報合格を達成するには避けて通ることはできません。

試験範囲が広すぎる

しかし必須科目であるこの2科目はどちらも税法科目の中でも特に極悪な試験範囲を誇る科目で、最低1,000時間は勉強しないと合格できないとも言われています。

私は法人税初学者向けの基礎マスターというクラスで12月の合格発表までの約4ヶ月、法人税の基礎を学びましたが、その範囲の広さに圧倒されました。

4ヶ月のカリキュラムなのに何故か渡された教科書は5冊あって、「1ヶ月に1冊じゃないんですか?」と意味が分かりませんでした(笑)。

ちなみに年明けから上級クラスが始まるのですが、そこでも5冊のテキストが登場します。

基礎マスターから上級クラスを経て合計10冊のテキストを突破しないといけません。

しかもほとんどのテキストが200~300ページのボリュームで、日商簿記1級の6冊のテキストを経験している私もさすがに引きました(笑)。

また、理論マスターも消費税は120ページですが、法人税は260ページもあります。

最初に理論マスターを渡されてその冊子の厚さに戦意喪失しそうになりますが、全部覚えないと勝負にならないので頑張りましょう(笑)。

本試験までの道のり

通信教育に切り替える

自宅からTACの予備校まで片道70分かけて通学する意味があるのか考えた結果、通信教育に切り替えることにしました。

電車の中で理論の暗記ができると言ってもやはり往復2時間以上かけてTAC横浜校に通うことは時間の無駄でしかありません。

また、通信教育だとTAC横浜校では教わることができない有名講師の講義を受けることができるので、それも今回通信教育に切り替えた理由のひとつでした。

繁忙期明けでも計算も理論もボロボロ

通信教育にて法人税の有名講師の分かりやすい講義を受けて、学習自体は楽しく進めることができました。

しかし、次から次に新しい項目が出てきて、例年通りあまり勉強ができない繁忙期は完璧に置いていかれました。

答練も毎度おなじみの下位30%です(笑)。

ここまでは毎年同じパターンですが、繁忙期明けの4月以降も覚醒する気配は全くなく、ずっと下位30%にハマっており、さすがに焦りました。

「繁忙期明けから覚醒するいつものパターンが来ないんですけど…」
「てか、試験範囲広すぎてついていけません」

このような感じで「これ、1年で受かるのは無理な科目なんじゃね?」と5月末には半ば諦めモードに入ってしまいました。

全国模試はD判定

諦めモードのまま毎年恒例のTACの全国模試を6月に受験しました。

理論はほぼ覚えていない状況だったので全く書けず、計算も平均点に全く届かない出来でした。

そして結果はD判定…。

「理論も計算も酷いよ。メチャクチャ頑張らないと合格できないよ。とりあえず基礎から頑張れよ。」

的な辛辣なコメントが書いてあった気がします(笑)。

過去3年、合格した科目は全て全国模試でS判定だったので、全国模試でS判定を出さないと合格できないジンクスが重くのしかかります。

「A判定でも落ちた経験があるのにD判定って何すか?…」

しかし、このD判定(特に辛辣なコメント)が私のハートに火を付けました。

「日商簿記1級のドツボにハマっていた時よりは全然マシだし!」
「ここで諦めたら官報合格まで1年遅れる!」
「残り2ヶ月死ぬ気でやれば絶対合格できる!」

(ほぼ)独学日商簿記1級の地獄の経験がここで非常に役に立ちました。

この状態の法人税でも独学1級で絶望していたあの時程深刻では無かったのです。

独学1級を乗り越えた経験があるからこそ、「プロから教わっている今は非常に恵まれているんだから甘えるな!」と自分を奮い立たせました(笑)。

そして、ここから怒涛の快進撃が始まります。

6月から理論が覚醒する

全国模試を受験した時点で計算は50%、理論は20%くらいの理解度でした。

この状態では理論の基本事項すら書けません。

合格するには理論を最低でも80%まで持っていかないといけません。

ここで計算命の私は一旦計算を置いて、理論を80%まで持っていくことを優先することにしました。

これは大きな懸けでした。

いつもなら計算を完璧な状態にしてから理論に取り掛かるのですが、この時はまず先に理論をある程度まで持っていかなければならないと感じたのです。

この懸けが当たります。

去年も直前期に利用した理論専用の自習室に籠り、ひたすら理論マスターと睨めっこした結果、先月までは何回やっても覚えられなかった理論が1回見ただけでほとんど覚えることができるゾーンに入ることができました。

これで一気に理論の理解が進み、本試験である程度勝負できる状態になりました。

やはりTACの理論専用自習室の効果は絶大です。

自宅や電車内とは比べ物にならない程理論の暗記が捗ります。

6月は92時間勉強したのですが、ほぼ全てを理論暗記に費やしたと思います。

ついに計算も覚醒する

予想外の理論ブーストで本試験合格が少し見えてきました。

せっかく覚えた理論は毎日の通勤時間を利用してしっかりケアしつつ、計算を極める作業に取り掛かります。

7月は116時間勉強したのですが、通勤時間の理論ケア以外はほぼ全て計算に費やしました。

トレーニングと答練(復習用)を毎日繰り返し解き、6月末には全く手が出なかった答練もほぼ完璧に解けるようになりました。

7月末になってようやく合格するビジョンが見えてきました!

そして8月に入り本試験までの約1週間は有給をぶち込み、ラストスパートです。

本試験は8/7だったのですが、8/1~8/6まで43時間勉強していました。

当たり前のことですが、直前期の追い込みが合否を決めると言っても過言ではありません。

特に私のような初学者はこの追い込みで更に成長するので、本試験前一週間の伸びは尋常ではないです。

経験者は既に伸び切っているケースが多いので、初学者が経験者を追い抜く最後のチャンスだと思います。

初学者の人は最後まで諦めずに頑張りましょう!

本試験を振り返って

今回もガッチガチに緊張する

ギリギリのところで何とか勝負できる状態まで持っていくことができ、いよいよ本試験を迎えます。

今回の本試験会場も前年と同じく立教大学でした。

法人税法は試験開始時刻が朝9時からです。

電車の遅延があっても大丈夫なようにかなり早く家を出たので、最寄りの池袋駅には7時頃到着しました。

早く着きすぎたのでファミレスで最後の確認作業をし、8時過ぎに会場に向かいました。

ここからはあまり覚えていませんが、今回もガッチガチに緊張していました(笑)。

6月からの怒涛の追い上げで理論マスター260ページを全て暗記し、計算も極め、最高の状態で本番を迎えることができました。

つまり、「これで落ちたら来年どのように勉強したら良いか分からない」というかもう二度と法人税は勉強したくない状態だったので、自分の受験番号が貼ってある机に座ってからもガッチガチでプルプル震えていました(笑)。

字が「揺れて揺れて~♪」状態になる

試験開始の合図と共にまず計算問題に取り掛かりますが、今年も緊張で字が「揺れて揺れて~♪」状態になり、全然書けません(笑)。

「またこれかよ!?」と焦りましたが、耐えるしかありません。

昨年と同じく2分経つと手の震えは止まり、ここからようやく私の本試験スタートです。

計算

この年の法人税の計算は信じられないくらい簡単でした。

TACの答練の方が断然難しかったです。

問題を解き始めてすぐに…

「簡単すぎるんですけど…。計算で差をつけるとかってレベルじゃない。」
「経験者は全員満点取る難易度じゃね?」

と簡単すぎる問題にビビっていました(笑)。

問題のボリュームも少なめで、60分で全問解き終わってしまいました。

「初学者の俺ですら、こんなにスラスラ解けるとか、本当に本試験問題ですか?」
「これ感覚的に9割以上取ってないと足切りくらうレベルじゃね?」

と完璧な手応えなのに満足感は全くなく、その難易度の低さにビビり続けていました(笑)。

理論

計算で60分しか使わなかったのは初めてでしたが、全問解き終わったので理論に向かいます。

「計算が簡単すぎたから理論はヤバイんだろうな」と覚悟していましたが、理論も簡単でした(笑)。

理論の問1が事業年度で問2が交際費でしたが、両方とも理論マスターの前半に出てくる基本理論で、これを覚えずに試験に臨む人は皆無と思われます。

「問1は事業年度…、これはしっかり覚えているから大丈夫!」

覚えている理論マスターの内容をしっかりと書き出します。

若干暗記に不安な箇所がありましたが、頑張って思い出し、書き上げた内容は理論マスターをほぼ踏襲したものになりました。

「よっしゃ、これはラッキー問題だった」

「次は何だ?次こそヤバイ奴か?」

そして問2を見るとまさかの交際費…。

「!?」

「交際費…、サービス問題じゃん」

「てか、今年どうした?法人税受験者は全員合格にしてくれるの?」

これも特に捻ったりする必要がないので、理論マスターの内容をべた書きします。

理論は30分程で解答用紙に書くことが無くなりました(笑)。

試験時間は120分なので、まだ30分程余っています。

周りでは寝ている人がたくさんいるという、税理士試験では考えられない光景でした(笑)。

「マジで今年の法人税どうした?」
「こんな簡単な問題で上位10%決められるわけないじゃん」

色々な?が頭の中でグルグルしていましたが、私は残りの貴重な30分を電卓ミスが無いか再確認した上で計算問題のコメント欄にさらなる追加情報を記載して、採点者に対して

「ボクはこれだけ深く理解していますよ。それでね、この問題はこういう考えからこの数値を導き出したんですよ。どう?良く理解しているでしょ?加点プリーズ。」

というアピールをすることにしました。

もちろん嫌らしくなくスマートに伝えることを意識して(笑)。

試験終了後

不思議な感覚でした。

完璧な手応えでしたが、初学者の自分がこれだけ簡単に感じると言うことは経験者はさらに簡単に感じたと思います。

感覚的に理論と計算合わせて90%以上がボーダーラインなんじゃないかと思うくらいだったので、本当にこの試験でどうやって上位10%を選ぶの?という感じでした。

解答速報を見て

本試験後、各予備校が解答速報を発表します。

計算は唯一難しいと感じた最後の問題(繰越欠損金)が間違っている以外はほぼパーフェクトで、理論もほぼパーフェクトでした。

試験後の手応え通り9割以上は正解していたと思います。

それでも全く安心できませんでした。

「この問題でどうやって上位10%を選ぶのか?」こればかり考えて、9割正解した人間のテンションではありませんでした(笑)。

結果発表を待つだけです。

試験結果発表

12月下旬に結果発表で、まず国税庁のHPで合格率を確認します。

「法人税法 14.7%

「!?」

「仏の回きたーーーーーー!!」

前回の消費税の合格率10.6%だと約10人に1人しか合格できませんが、今回の14.7%だと約7人に1人合格できる計算になるので、合格の期待が一気に膨らみました。

というか、この時点で合格をほぼ確信しました(早笑)。

ちなみに次の年の合格率は16.1%と更なる仏の回だったので、この2年で法人税を受験した人は私も含めて非常に運が良かったと思います。

家に帰って毎年恒例の茶封筒開封式です。

今回は自信満々だったので、自分で開けることができました。

合格令01

合格率を見た瞬間に合格を確信していたので、その通りになっていて安心しました。

一番大きな壁と思っていた法人税を一発で合格できたのは嬉しすぎる誤算でした。

普段は滅多に褒めない事務所の所長もこの時は「法人税一発合格はすごいですね」と褒めてくれました(笑)。

妻は今回も「良かったねー」と言ってくれましたが、

「あと一個でしょ?来年で終わりだね♪」と毎年合格するのが当たり前だろ的な感じで、税理士試験の難しさを分かってくれません(笑)。

2018年9月~2019年8月の勉強時間

この期間の法人税の勉強時間は合計685時間でした。

税理士試験受験生活5年の中で一番勉強したのが今回の法人税ですが、ホワイト事務所に勤めていた私でもやはりフルタイムで働きながらだとこれが限界のようです。

なお、この勉強時間で法人税を一発合格したのであれば一生自慢できますが、残念ながら私は過去にも法人税の基礎マスターを受講して勉強していたので、その分約200時間加算すると合計約900時間ですか。

約900時間で法人税に一発合格できたと考えても上出来ですが、合格率の高さと初学者に優しい本試験問題に救われた感は否めません。

最後は相続税法

運が良かったとは言え、これでついに官報リーチとなりました!

最後に挑戦するのは相続税法です。

私のように4科目合格して最後に挑戦する人が多い科目なので、合格するのが非常に難しいと言われる科目です。

しかし、法人税一発合格でノリノリな私は、

「次の相続税も一発だぜ!」
「税理士試験挑戦5年目で5科目揃えたらキリがいい!」
「しかも来年は2020年だし、これもキリがいい!」
「しかも来年35歳だし、これまたキリがいい!」
5年で5科目で35歳!もう、これは来年合格確定の流れでしょ!」

と意味不明な数字を列挙して調子に乗りまくっていました(笑)。

しかし、2020年は「あれ」の流行で、日本全体が自粛を強制されます。

「あれ」の影響で私の大切な勉強場所も使えなくなり、今までの当たり前が無くなってしまう大波乱の年となりました。

つづく

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