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独学で日商簿記1級に合格した話⑤【独学で1級に挑戦した理由と第141回本試験】

この日商簿記1級シリーズ、前回までは「簿記2級に受かって調子に乗った勘違い野郎が、1級に独学で挑んで玉砕しただけの話」になっていますね(笑)。

今回は少し真面目な話を・・・。

そもそも当時の私が何故日商簿記1級を受験することになったのか?
そして何故独学を選んだのか?

これらの理由を詳しく書いていきます。

決して「独学で合格する俺かっけー!」をやりたかったわけではないです(笑)。

目次

独学で簿記1級に挑戦した理由

税理士試験の受験資格取得の為

まず、日商簿記1級を受験した一番大きな理由は、税理士試験の受験資格を得る為でした。

私は20代後半から会社の名前が無いと何もできない自分の将来に不安を感じ、「自分自身の価値を高めなければ今後生きていけない」と強い危機感を抱くようになりました。

前職のキャリアや会社の名前が無くても生きていくには圧倒的な資格が必要であると認識し、働きながら取得できる資格を探した結果、「税理士」に辿り着きました。

そして、30歳目前で前職の給与から4割減することも納得の上で、未経験業種である税理士事務所に転職し、フルタイムで働きながら税理士試験に合格する道を選びました。

しかし、私は当時の税理士試験の受験資格が有りませんでした。(現在は受験資格が緩和されています)

私は大卒ですが社会学部だった為、「法律学又は経済学を履修していること」という条件に当てはまらず、税理士試験に挑戦する権利が無かったのです。

厳密にいうと受験資格が有る可能性は高かったのですが、確信を持って「有る」と言えない状況でした。

よって学歴以外の受験資格である日商簿記1級の合格がどうしても必要でした。

税理士事務所に2年以上勤務すると受験資格が与えられる実務経験の要件もあるのですが、2年待たないといけない時点で論外でした。

なお、日商簿記1級と税理士試験の簿記論は試験範囲が8~9割被っていると言われています。よって、1級を勉強することは簿記論の合格にも繋がる為、「1級を勉強することは決して遠回りではない!」という考えもありました。

実際は1級の工業簿記や原価計算は簿記論ではほぼ出題されないので、かなり遠回りでしたが(笑)。

簿記1級の予備校代を払う余裕が無かった

次に独学を選んだ理由ですが、このシリーズの①で書いたように「簿記の才能あるから1級は独学でいけるわ!」と勘違いした部分はありました。恥ずかしすぎる(笑)。

なお、この勘違いは税理士事務所に転職する前の話です。念のため(笑)。

根本的な理由は税理士試験の予備校に通うためのお金を貯める必要があっからです。

税理士試験を独学で合格することは不可能に近いので、予備校に通うことが必須です。

私が通っていた予備校のTACには税理士試験5科目合格パックなるものがあり、これは「最初にたくさん払えば税理士試験の5科目を割安で教えてあげるよ」というもので、当時で約70万円でした。

1科目ずつ選ぶと20万円以上したので、5科目で70万円は非常にお得でした。

しかしお得とは言え70万円。給与4割減の私がポンと払える額ではありませんので必死で貯めました。

もし簿記1級もTACに通うとなるとさらに約15万円必要になり、当時の私の懐事情から1級は独学を選ぶしかない状況でした。

「それなら5科目パックじゃなくて1科目ずつ払えばいいじゃん」と思いますが、5科目パックを払うことで税理士試験から撤退できない状況を作りたかったので、1科目ずつ払う選択肢はありませんでした。

30歳目前で給与4割減を受け入れてまで税理士業界に飛び込んだので、税理士試験に合格することに人生を懸けていました。

今思うと非常に頑固で恐ろしい選択をしているなと思いますが、若さ故の勢いがあったということです。

税理士試験の受験資格が大幅に緩和

なお、税理士試験は2023年度から会計科目(簿記論・財務諸表論)の受験資格が撤廃されます。つまり大卒や日商簿記1級合格の要件は無くなり、誰でも受験できます。

また税法科目(法人税・相続税・消費税等)も受験資格の要件が緩和されたので、私のように社会学部卒でも受験資格があります。

税理士試験の受験資格の為に、簿記1級を取得する必要はほぼ無くなったと言えます。

そもそも簿記1級は税理士試験の受験資格という位置づけなのに、税理士試験の簿記論や財務諸表論と同レベルかそれ以上の難しさという矛盾があったのです。この歪んだ現象が解消されて良かったです。

私が受験した時にこうあって欲しかった・・・。

簿記論を受講して理解度が一気に深まる

ここからは前回の続きです。

税理士試験は毎年5月に受験申込をする必要がありますが、日商簿記1級の本試験は毎年6月と11月の年2回しか開催されないので、次の11月開催の簿記1級第141回本試験に合格しないと、翌年の税理士試験の受験資格が得られません

つまり、次の簿記1級に落ちると税理士試験の受験開始が1年遅れます

30歳から税理士を目指すというただでさえ遅いスタートが更に1年遅くなる為、いよいよ尻に火が付きました。次がラストチャンスという危機感を持ちながら勉強していました。

この時点で1級を1年近く勉強していたので、その難しさにも慣れ、最初は全く分からなかった問題も徐々に理解できるようになっていました。

さらにTACに約70万円を支払い、10月途中から税理士試験の簿記論を受講し始めたのですが、これがメチャクチャ効きました。

簿記論の先生の分かりやすい説明を聞くことで、独学では分からなかった部分の理解度が一気に深まりました。

70万円の効果は絶大です。

10月途中から11月の簿記1級の本試験までの約一ヶ月で、簿記1級のテキストNo.1のほぼ全ての範囲を教わり勝機が見えてきました。

ちなみに、このシリーズのタイトルは「独学で日商簿記1級に合格した話」ですが、タイトル詐欺ですね(笑)。

テキストNo.2以降の残り5冊は本当に独学だったので、「(ほぼ)独学で日商簿記1級に合格した話」と脳内変換してください。

第141回本試験(2015年11月)

広い机の会場で受験する

本試験に向けて、勉強以外でも対策できることは対策します。

前回の反省を生かして、11月の本試験は広い机を設置している場所で受験することを必須としました。

ネットで調べた結果、このタイプの机がある茅ヶ崎商工会議所で受験することにしました。

試験会場の長机

この横長の机を二人で使うので、A3の問題用紙と解答用紙を全て広げても余裕で電卓を置くスペースがあります。

「机の大きさを制する者が簿記1級を制する」です。

前回の失敗を無駄にはしません。

合格の可能性を感じる手応え

そして、2015年11月、私にとって2回目の簿記1級本試験に挑みます。

試験会場に入り、予想通りの机を見た瞬間に心の中でガッツポーズしました。

「机が広い!今回はいける!」

しかも隣の席の人が欠席だったので、この長机を独占できるという、これ以上ない最高の環境でした。

試験自体も前回とは異なり、非常に良いテンションでサクサクと解くことができました。

商業簿記は決算整理後の残高試算表を作成する問題で、リース・貸引・減価償却・資産除去債務・有価証券・社債・外貨・繰延ヘッジ等の王道の論点が出てきましたが、満遍なく正解できました。

会計学は連結損益計算書の作成でしたが、連結関係は何故か得意だったので、TACで教わっていなくともしっかりと点数を取ることができました

後半の工業簿記と原価計算も大きなミスなく、時間内に完答することができました。

試験時間の3時間はあっという間で、手応えはかなりありました

予備校の解答速報で一喜一憂する

後日、TACを含めた大手予備校が解答速報を発表します。

まずTACを見たのですが、自己採点の結果60点しか取れていませんでした。

「あの出来で60点!?今回もダメじゃん」と落ち込みましたが、前回とほぼ同じ点数というのが納得できなくて、もう一つの大手予備校(O原)も見てみました。

すると、こっちは合格ラインギリギリの70点でした。

TACは解答欄全体の半分ほどしか点数を配置していないので、TACの点数が配置されていない箇所が正解でも不正解でも関係ない仕様でした。

一方、もう一つの大手予備校は満遍なく点数を配置しているので、純粋に正解数が多い人が点数を稼ぎやすい仕様でした。


「O原の配点は素晴らしい!O原は神!O原最高や!」

この時、私の気持ちは完璧にもう一つの大手予備校に移っていました(笑)。

O原採点を信じて結果を待つのみです。

年明けの1月初旬にいよいよ合格発表です。

つづく

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