5年で税理士試験5科目に合格した話①【フルタイムで働きながら】

7月が始まり、暑い夏がやってきました。

夏と言えば世間一般では「お祭り」「海」「プール」「花火」と楽しいイベントばかりで、私も税理士試験に挑戦するまでは「夏=イベントたくさんでハッピーな季節」という印象でした。

しかし税理士試験に挑戦し始めてから官報合格するまでの夏は、毎年8月開催の「税理士試験」に縛られ、本試験が終わるまで常に戦っていた記憶しかありません。

猛暑の中勉強ばかりしていたので、全くハッピーな季節ではありませんでした(笑)。

私が最後の税理士試験を受験してからもうすぐ3年が経ちます。

まだ当時の記憶が鮮明な内に税理士試験に挑み続けた5年間を振り返ろうと思います。

目次

フルタイムで働きながら5年で合格

私の税理士試験の戦績は以下のとおりです。
※()内は合格率。

2016年  簿記論   ○(12.6%)  財務諸表論 ×(15.3%)

2017年  財務諸表論 ○(29.6%)  消費税法  ×(13.3%)

2018年  消費税法  ○(10.6%)

2019年  法人税法  ○(14.7%)

2020年  相続税法  ○(10.6%)

フルタイムで働きながらトータル5勝2敗は上出来です。

最初の2年は「この合格率で受からないのかい!」と嘆きたくなる結果ですが、最後の3年は良い感じです。

税理士試験を知らない方からは「5年もかかったの?」と言われることもありますが、この業界を知っている方からは「働きながら5年で官報合格は非常に早い」と言われます。

5年で官報合格できた理由

家族の理解と協力があったから

私は受験1年目に結婚したのですが、最初の2年は「家と職場と予備校が近い環境で勉強に専念したい」という私のワガママで妻とは別居していました。

「専念している最初の2年の方が結果悪いじゃん」という指摘はNGで(笑)。

子どもが生まれたこともあり、3年目から妻の地元で一緒に暮らすようになりました。

職場までの通勤時間が10分から70分になったこともあり、勉強時間は3年目以降の方が圧倒的に少ないのですが、限られた時間の中でいかに効率良く勉強するかを考え実践できるようになりました

妻と一緒に暮らし始めてから最後の相続税に合格するまでの日常はこんな感じです。

  • 普段は仕事から帰ってきて夜ご飯を食べてその後は勉強で不在
  • 繁忙期はそもそも仕事から帰ってくるのが22時過ぎなので終日不在
  • 休日も午前中と夜ご飯後は勉強で不在
  • 7月から試験当日までは朝から夜まで勉強で不在

これで良く我慢してくれたなと改めて感謝です。子どもも私と遊ぶのを相当我慢していたようです。

このような状況だったので1年でも早く税理士試験から卒業する必要がありました。自分だけでなく妻や子どもの為という気持ちが大きな原動力となりました。

勤務先の税理士事務所の理解があったから

私が勤めていた横浜市の税理士事務所は基本定時(17時)終わりで、試験前はまとまった休みを取ることも出来たので、税理士試験受験生には最高の環境でした。

当然、繁忙期(12月~3月中旬まで)はほぼ毎日残業ですが、「この期間は勉強できない」と割り切っていました。

それ以外は基本17時で仕事が終わるので、17時40分には事務所から最寄りの予備校(TAC)に到着することができました。

職場と予備校の近くに住んでいた最初の2年は、

授業がある日は、予備校到着後1時間程自習してから講義を受ける
授業が無い日は、21時頃まで予備校の自習室で自習

という夢のような勉強ライフを実践できました。

3年目以降は上記のような勉強ライフは無理でしたが、それでも18時半には家に帰ることができたので、毎日ある程度の勉強時間を確保することは可能でした。

働きながら合格するには、税理士試験に理解がある職場に就職することが必須です。

私の税理士試験受験生時代の1年の大まかな流れは以下のとおりです。

9月~11月新しい科目の基礎を学ぶ。
12月~3月中旬事務所繁忙期の為、ほぼ勉強できず。授業だけは何とか出席する。
3月中旬~6月繁忙期明けから一気に爆発。この期間で受験専念者に追いつく。
7月~本試験ラストスパート。事務所の夏休みと有給休暇の大半をこの期間にぶち込む。
本試験~8月末唯一のリラックス期間。

自宅の近くに最高のカフェがあったから

先ほど述べたように、3年目からは妻の地元で生活することになり、通勤時間が10分から70分に増えた為、勤務後に予備校に通うことが厳しくなりました。

よって3年目からは家の近くのカフェが私の新しい勉強場所になりました。

<このカフェの特徴>
  • 店の照明が落ち着いた電球色で集中できる
  • 長机がある(=電卓を置くスペースがある)
  • 利用客が少なく静か
  • 周りを気にせず電卓を叩きながら勉強できる

このように素晴らしい環境なので、私以外にも税理士試験や簿記の勉強をしている人がたくさんいました。

この業界の受験生のために存在しているカフェと言っても過言ではありません(笑)。

普段は帰宅後夜ご飯を食べて20時~22時頃までそのカフェで勉強していました。

直前期は開店から閉店まで12時間近く籠っていたこともありました。

もちろん長時間滞在する時はコーヒーは何倍もお代わりして、昼と夜もそこで食べました。

コーヒー1杯でそんなに居座ったら出禁を食らって大切な勉強場所を失います(笑)。

通勤時間だけ見れば3年目以降の方が不利ですが、このカフェのおかげもあり、最初の2年より良い結果となりました。

家の近くにこれだけ集中できる環境があったのは大きかったです。

独学で日商簿記1級を経験したから

税理士試験の前に日商簿記1級を独学で挑戦したのですが、人生で一番苦しんだと言っても過言ではない恐ろしい試験でした。

これに独学で挑んだ結果、挫折と絶望で何度も心が折れましたが、最終的には無敵の耐性が付きました(笑)。

簿記1級より難易度が高い税理士試験ですが、独学ではなくプロの講師から教わりながらの勉強だったので、独学1級以上の苦しみを感じることはありませんでした。

もし独学1級を経験していなければ、税理士試験を5年で突破できなかったと思います。

税理士試験もとんでもない試験ですが、独学1級はもっととんでもない試験です

日商簿記1級の独学は「ダメ!絶対!」です(笑)。

詳しくは「独学で日商簿記1級に合格した話」をご覧ください。

見返してやるという気持ちがあったから

私は20代後半から会社の名前が無いと何もできない自分の将来に不安を感じ、「自分自身の価値を高めなければ今後生きていけない」と強い危機感を抱くようになりました。

会社の名前が無くても生きていくには「自分自身の価値を高める=圧倒的な資格が必要」であると認識し、働きながら取得できる資格を探した結果、「税理士」に辿り着きました。

そして、30歳目前で前職の給与から4割減することも納得の上で、未経験業種である税理士事務所に転職し、フルタイムで働きながら税理士試験に合格する道を選びました。

しかし、私が税理士になることを宣言した時、誰一人として税理士になれると思った人はいなかったと思います。

そこそこ安定している鉄道会社の総合職を辞めて色々あってからの挑戦だったので、「無理だ」「もったいない」「バカじゃないか」的な声も聞こえてきました。

そんな声を上げる奴等を見返してやるという気持ちがモチベーションの維持につながったことは否めません。負の力は大きいです(笑)。

勉強スタイル

次に私の税理士試験の勉強スタイルを紹介します。ただし税理士試験の勉強スタイルは人それぞれ、何が正解かは分かりません。あくまで私はこうだったという紹介です。

計算命

税理士試験の税法科目(法人税、消費税、相続税など)は計算と理論がそれぞれ50点ずつあるので、両方とも満遍なく正解しないと合格できません。

しかし理論は科目によっては200ページ超の冊子(理論マスター)に記載されている文章をほぼ全て暗記しなくてはいけません。

試験当日はこの理論マスターを頭に入れておかないと勝負にならないので、暗記作業が必須ですが、はっきり言って地獄の作業です。

私は条文暗記前提の理論で他と差をつけるイメージが全く湧かなかったので、「計算でぶっちぎって、理論は平均点レベルでいい」と開き直りました。

計算は些細なミスも決して許さず常に満点を目指し、理論は白紙や的外れな解答さえしなければOKというスタンスでした。

本試験は120分ですが、どの税法科目も計算が完答するまで粘り、残り時間で理論に取り掛かっていました。

科目によっては計算75分・理論45分という時もありましたが、理論で白紙や的外れな解答をしたことは一度も無く、計算は毎回9割くらいは取れていたので、計算で圧倒的な点数を出せば理論は多少内容が薄くても合格できるのかもしれません。

電卓は利き手でない左手で叩く

税理士試験に電卓スキルは関係ないとの意見もありますが、私は大いに関係あると思っています。特に簿記論では電卓のスピードと正確性が合否を左右します。

簿記1級時代から「利き手で電卓を叩いては時間が足りない現象」に陥っていたので、利き手でない左手で叩けるようにしました。

右手でペンを常に書ける状態にしたまま左手で電卓を叩くことで、右手で電卓を叩く場合とスピードが全く違います。

利き手でない方での電卓のブラインドタッチは一週間で習得できます。

今では利き手の右手で叩く方が苦手です(笑)。

本試験後は常に新しい科目を勉強した

本試験後に自己採点をして、各予備校が発表する解答速報のボーダーライン以下だったら、9月から新しい科目に行かずに受験した科目を勉強し直すのが王道らしいですが、私は全て新しい科目に行きました。

本試験終了後から結果発表までの4ヶ月で新しい科目を一通り勉強するメリットの方が大きいと感じていたからです。

「そもそも本試験の自分の解答を完璧に覚えているって無理なんですけど」
「税法科目の理論ってどうやって採点するんすか?」

という疑問があって、予備校が開催する解答解説会なるものも一回も参加したことがありませんでした。

決して解答解説会を否定しているわけではありませんが、本試験の自分の解答(特に理論)を完璧に覚えることが不可能だったので、参加してもあまり意味が無いなと感じていました。

私は本試験後は毎回予備校が発表する解答速報をネットで見て、

「計算は大体○○点ね」
「理論はこんなに細かく書いてないからちゃんと採点すると○○点くらいしか取れてないんですけど」
「解答速報の配点通りだと合格ラインに全然届いてないんですけど」


「でも、気にせず次の科目行きますわ」

という感じでした。

これでも毎年合格しているので、本試験である程度の手応えがあったなら予備校のボーダーラインはあまり気にせず、次の科目に進んでも良いかもしれません。

いかにモチベーションを維持できるか

税理士試験は5科目合格するまで何年もかかる長い戦いです。

私は運良く毎年合格することができたので、5年間の受験生活でモチベーションが無くなることは一度もありませんでしたが、事務所の後輩スタッフの中には税理士試験のモチベーション維持に悩んでいる者もいました。

税理士試験を戦い抜く上で一番大事なことはモチベーションの維持です。

なお、今は大学院免除もかなり増えているようなので、5科目官報合格に拘らず大学院免除もOKというスタンスで行くのが良いのかもしれません。

私も消費税に合格して3科目揃った時に「この後同じ科目に2年連続落ちたら大学院に行こう」と考えていました。

大学院免除の切り札があることで、3科目合格後は少し楽な気持ちで試験に挑むことができました。

そうは言っても5科目合格することが目標だったので、最後の2年の法人税と相続税を一発で突破でき、当初の目標を達成できたことはとても良かったです。

次回からは2016年から1年毎に各科目の勉強法や本試験での出来事などを振り返っていこうと思います。

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