日商簿記1級の難しさを知らずに、独学を選んでしまった前回の続きです。
今回からは1級の恐ろしさに絶望した当時の記憶を蘇らせます。
6冊のテキストと6冊の問題集
まず独学するにあたりテキストはTACの合格テキストを使用することにしました。
発注して数日で自宅に到着後、中身を見ると信じられない数の冊子が…。
テキスト6冊(商業簿記3冊+工業簿記3冊)と問題集6冊(詳細同じ)。全部で12冊ありました。
2級は確か4冊だったと思うので、この時点で1級の範囲の広さに驚愕します。
しかも嫌らしいことにテキストNo.1はボリュームが少なく楽勝感を漂わせているのに、No.2とNo.3は共に300ページ超の分厚さで、内容もどんどん難しくなっているようでした。
テキストNo.1が難しすぎて先に進めない
実際はテキストNo.1で絶望しました。
No.1の冒頭60ページは「商業簿記・会計学総論」というタイトルで、いわゆる理論です。税理士試験でおなじみの文章を暗記するアレに近いやつです。簿記は電卓を叩いて数字を出すだけだと思っていたので、面食らいました。
「文章だけで超つまらないんですけど」
「電卓いつ使うんですか?」
「何回読んでも意味が分からないんですけど」
「そもそもここはどうやって勉強したらいいんですか?」
最初から迷路に迷い込んだ状態に陥り、全く先に進めません。
おそらくTACの合格テキストは講師が教える前提で作られているので、初学者が読んでも分かりにくい内容だったと思います。
何時間勉強しても理解が深まらないので、一週間ほどで最初の60ページは諦めて先に進むことにしました。
確固たる勉強法の確立?
冒頭の理論の後はようやく電卓を使う内容が出てきました。しかしその難易度は2級の比ではありません。テキストを読んでも良く分からないので、やけくそで以下の勉強法を確立しました。
問題集をやる⇒わからない⇒答えを見る⇒何となくわかる⇒テキストを読む⇒そこそこ分かる
テキストをスルーしていきなり問題集に取り掛かる勉強法ですが、これが独学で受かる最短ルートだと何の根拠もなく信じていました(笑)。
ただ、この勉強法に切り替えてから1級の計算問題は徐々に解けるようになり、自分の知識が深まっていくのを実感できるようになりました。
理論を勉強している時はこれが全くなかったので、少し安心しました。この時期は楽しかったです。
テキストNo.1一周後の忘却
試行錯誤しながら1ヶ月程かかってようやくテキストNo.1を一周しました。
理解度を確認する為、No.2に進む前にNo.1の問題集を復習しようと取り掛かったところ、数日前は解けていた問題が解けません!
新論点で記憶が塗りつぶされて少し前の論点を忘れてしまったのです。せっかく習得した(気になっている)知識を数日で失ったと、再び絶望しました。
今までの苦労が一瞬で消えた感覚でした。これが一番辛かったです。
「ボリュームの少ないNo.1でさえ1ヶ月かけてこれかよ」
「残り5冊どうしたらいいの?」
この時の絶望感は半端なかったです。全く先が見えませんでした。
そしてテキストNo.2もNo.1と同じく冒頭の論点でメンタルを破壊しに来ます。
(絶望は)つづく